管理組合は「民主主義」の世界。決めごとは最終的に「多数決」で決まります。
今回は、総会で議決されるものには2種類あることに触れたいと思います。
ポイントは重要度、緊急度と決議に必要な議決権の数
☑普通決議事項〔通常の議案]
決議に必要な議決権
区分所有者及び議決権の過半数の賛成が必要
ただし、規約で別段の定めをする事ができる
☑特別決議事項〔特に重要な議案〕
決議に必要な議決権
区分所有者及び議決権の各3/4以上の賛成が必要
ただし、建て替え決議には、区分所有者の各4/5以上の賛成が必要
半分でも、なかなかハードルが高いな~と感じられる管理組合の方もいらっしゃると思います。なのに3/4以上、4/5以上は更に厳しい。そもそも、総会の出席率が低いうえに、多種多様な方々が集まって決めていくわけですから当然ですよね。
しかし、この決めごとは区分所有者だけでなく、賃借人を含む居住者全体の生活にも関わること。なので、一つ一つの決議事項の内容をしっかり見ることから始めなくては、賛成も反対もできませんよね。
感情に任せて皆さんが「否決」する事でその後、結局は自分達を苦しめてしまうかもしれなですし、また、その逆もありえるわけですよね。
理事会の審議不足であったり、議案の説明不足だったり…も考えられます。
皆さんが今「コロナウイルスという感染症という災害に対して、国がどう考えているのか、未来をどうしたいのかの本心と施作を知ることはできません。又、決め事に1票を投じることもできません。なので、歯がゆかったり、不満に思ったりするわけです。でも、決まった事には従うしかない。
しかし、分譲マンションの管理組合の場合は、考えを発言する、賛否を投じる、素晴らしい権利が全区分所有者に与えられているのです。みんなで一緒に考えるチャンスを充てられているのです。なんて嬉しいことではありませんか!
では、その考える際の議決事項の内容の違いをザックリとご紹介いたします。これを知っておくと、災害時になぜ「特別決議事項」となる議案が出てくるのかがご理解できるかと思います。
【普通決議】
- 前年度管理費などの収支決算報告と事業報告の承認
- 今年度管理費などの収支予算案と事業計画の承認
- 大規模修繕工事の施工
- 設備工事(消防設備・インターホン改修工事の是非など)
- 共用部使用料の改定(駐輪場の値上げなど)
- 使用細則改定
- 管理費・修繕積立金の決定
- 管理委託契約更新
- 今年度役員選任 など
【特別決議事項】
- 管理規約の設定、変更及び廃止
- 管理組合法人の設立及び廃止
- 共用部分の敷地や付属施設の変更
- 共同の利益に反する行為に対する専用部分の使用禁止、区分所有の競売、専用部分の引渡請求
- 建て替え決議 など
今回、コロナウイルス感染拡大防止の中での通常総会の総会の場合、【特別決議事項】がある管理組合の場合は、重要ではあるが、その緊急度で考えてただき、急がなくてもよさそうならば、充分な説明と話し合いができるまで待つのも一つの案かも知れませんね。
もし、災害が発生した場合に出てくる問題はどちらに当てはまるのか…理事会役員でなくても大雑把で充分。知っていれば混乱した中でも自分もこのマンションを運営するひとりとして考えていけますよね。
そしてぜひ「総会」に普段から慣れておいて欲しいなと思います。運営する側もも参加する側も。どちらも同じ「資産」を持つ区分所有者として経験するのですから。
「災害時」に全てが初めてでは、もし、時の理事になったとしても一から学ぶ時間も持てないですものね。