災害の為に備えるだけではない「備え」

「何故、めんどくさい人間関係が大変な分譲マンションに関わるの?お金にもならないのに」

マンボ-プロジェクトのご挨拶で名刺交換をする際に、悲しそうなお顔で聞かれる方が多いんですよね。確かに「何かと大変で面倒」ですよね。と、ついついネガティブな話になりやすい「分譲マンションの話」そこで今日はポジティブな話題で参ります。

防災士の学びをきっかけに、地域の防災・備災がどのようになっているのかを、教えていただき、また現場を拝見する機会を頂戴することが多くなりました。地域防災を考える際の第一歩の難しさは、基本的にマンションでの問題と変わらない部分が多いように感じます。

  1. できるだけ他者とは関わりたくない
  2. 自治会には会加入しない、役員なんて論外
  3. 地域の煩わしい しきたりに携わりたくない
  4. 各家庭の経済的格差    などなど

では、分譲マンションの場合、どんな利点があるのでしょう。

  1. 建物が地震に強い(避難しなくても良い可能性大)
  2. キュッと詰まった建物に共同で住んでいるので、災害対策の場所が狭い
  3. 普段から、敷地内の建物・設備を管理しているので、災害対策を立てやすい
  4. 分譲マンションは区分所有者が「管理組合」という組織を作らなくてはならない為自治会が存在しなくても、すでに団体として運営されている
  5. 管理費・修繕積立金をコツコツ蓄えている 
  6. 購入の際、区分所有者の事を確認できるため最低限の事は管理組合で把握できる
  7. 管理会社というパートナーが二人三脚で管理組合の運営のサポートをしてくれる

広範囲で様々な方々が点々と暮らしてる地域防災に比べたら、なんて有難い!災害対策を始める為に必要な条件が揃っているますよね。特に4番

組織としての団体がある。しかも全員がその一員であること。他人と関わりたくなくても、管理組合としては関わらなくてはならないという点。団体としての「目的」がはっきりしている。

それから、3番と5番

コツコツと積み立てをしているので、日頃から建物・設備の維持管理をすることで、もしもの時の補修・修繕がしやすい。更に、きちんと保険に加入していれば、少しの掛け金を分かち合うことで、立派な建物を皆で共有しながら管理できる。

コツコツ積立

災害の際は、補修・修繕が進まないと、生活の場所をもとにもどせないですから、ここは重要ですよね。

そう考えると…マンションの災害に備えることって、ハードルが低いところから入れるかも?って思いませんか。

中古で購入されても、貯蓄があり保険もかけててくれるなんて夢のような話。個人で一から貯めるのって大変ですもの有難い

今までの管理と積み立金
に感謝

管理組合が、粛々と運営するってことは、災害に備える第一歩

お知らせ

プロジェクトのサポーター・大木祐悟さんが、「災害とマンション」というテーマで、住宅新報にて短期連載を書かれています。より専門的に、現場を見てきたものだからこその目線で語られています。第一回目は『区分所有法による復興』。マンボ-プロジェクトのHPと一緒にご覧いただけると、もっともっと楽しめるマンション防災になると思います。

大木祐悟氏のブログはこちら

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https://ameblo.jp/hwiw0257/

価値観が違うことをメリットに変えていくことができたならば

「防災」管理組合の仕事

「災害に備える」ことは、管理組合が所有する「土地・建物・設備・お金」に関わるということ。そして「管理組合の規約」に沿って「備え」「修繕・補修」をしていくわけですよね。

時の理事会だけでなく、理事会の中で引き継ぎ、管理組合の合意形成を経て様々な決め事なども進めていくということになります。

一つ一つ丁寧に。

次のイラストを見比べてみて下さい。

キラキラと話し合いをしていますね。一見とてもまとまっているように見えます。でもよく見るとお一人だけどんよりとしている人がいませんか?

キラキラしていませんが、気兼ねなくみんなが話し合いに「参加」しているように見えませんか?

管理組合で、ものごとを決めていくときは、価値観が違えど皆同じテーブルでそれぞれが意見を出し合い考えていきます。声の大きさでも、個人の仕事での地位、ましてや老若男女関係なく、問題解決にむけて、それぞれの考えを出し合うことから始まります。

とはいえ、これがなかなか難しいですよね。仕事ではなく、同じ建物に「住む=生活を共にする」もの同士であるがゆえに、言いずらいことも時にはあります。できれば、人間関係を上手に保ちたいですものね。

ならば、管理組合の事をよく理解してくれている、第3者の人に客観的に関わってもらのも一つの考えかたかも知れませんね

コロナウイルスの問題はこれから。その2 安否確認

今回は「人」。マンションの区分所有者様はもちろん居住者の皆さまも大切な資産の一つと考えての「安否確認」について考えてみました。

今度の日曜日は『母の日』。あるお花屋さんでは「5月を母に感謝する月」として多くのかたに、お母さんへの『感謝の気持ち』をこんな時だからこそ伝えて欲しい、伝えたい。3密を避けるために1ケ月間を『母の日』としてしまうという新し考え方が生まれたそうです。「相手を思うことへの工夫」

管理組合でできる「居住者の安否確認」は、震災や水害といった災害と今回のようなウイルスの場合では、アクションが違ってきますよね。

濃厚接触ではないとしても、抗体検査で明らかに『陰性』でない限り、居住者の皆さんとお会いすることをできる限り避けたい。

とはいえ、独居の方やご高齢の方、何らかの援助を必要とする方もいらっしゃいますよね。

特に高齢者の場合…
・コロナウイルス関連の情報が多すぎて結局『不安』だけが膨らんでしまう傾向がみられるそうです

そんな、不安を少しでも早く気づいて寄り添えたら…それもマンションに住むメリットのような気がしませんか?

戸建てとは違い、管理組合というものが存在しているので、管理組合で「居住者=資産」と考えたとしたならば、安否を確認する・気遣うということがしやすいですよね。

「距離感を保ちつつも、いざというときにさっと寄り添える」ことができる管理組合。

「居住者の命」があってこそと思える管理組合。

コロナ終息後の新しい価値観の1つになっているかもしれませんね。

どんな寄り添い方をしても正解というものはありませんが…

第2回マンションの災害を考える交流会in静岡 その2

2020年2月24日

【その2】
1部
   小規模のマンションや、自治会を持たない又は自治会加入者の少ない
   管理組合様向け。自治会を持たず管理組合の中で自主防災組織を作り
   無理せず緩やかな繋がりで取り組み、理事会をサポートしている管理組合
   の事例。
2部
   分譲マンション居住者の皆様に、お勧めの携帯トイレの話と、
   マンボ-プロ ジェクトについて。

日時:2020年㋁24日(祝月) 10:00~12:00

場所:静岡県総合福祉会館「シズウェル」602会議室

参加者:10名(新型コロナウイルスの為参加者限定)

講話1部: 坂井誠仁氏
    ・BELISTA横浜管理組合 自主防災委員会 委員長
    ・マンション管理士
    ・マンション防災認定管理者
    ・防災ファシリテーター 
    ・my減災マップマイスター
講話2部:濱田晴子
    ・マンボ-プロジェクト リーダー
    ・サーパス草薙運動場前 管理組合理事長
    ・「家族で携帯トイレ1週間 体験」をもとに、
     マンションでの「トイレ」 について考えてもらう場
     づくりを!の語り部  

管理組合の他に、地域防災にご尽力されている方、管理会社様と、様々な方がご参加くださいました。 第1部では、歴BOWエクスプローラである「歴史と災害」をご趣味にお持ちの坂井氏らしい切り口、「地形と歴史から考える災害対策話し」から始まりました。少し固い「規約」の話だけでない「場」をご提供するのが、Wooマンボ-プロジェクトの特徴であります。

第1部の後、休憩時にお菓子と飲み物を囲んでの雑談で、参加者の皆さま同士の会話が弾んでいたのが印象的でした。

また、参加者の皆さまが片付けをお手伝下さりスムーズに片付けが出来ました。ありがとうございました。

「災害時は、みんなが被災者、誰もがボランティア」

今日のような雰囲気を理事会に管理組合にお持ち帰りいただけると、きっと管理組合の運営も、防災・備災への取組も楽しくできるのではないでしょうか。

第1回マンションの災害を考える交流会in静岡 その1

2020年㋁9日 

災害に強いと言われるマンションであっても 『備えあれば憂いなし』

  • 電気が止まるとライフラインが停止してしまう
  • 管理組合として何を備え、何をどのように対応をすればよいのか
  • 近隣地域と、どのように連携をとればよいのか
  • 自分たちの建物がどんな地形にあり、どんな構造をしているのか

様々な課題がありそうだけど何から始めたら良いのかわからない。そこで、実際に災害に備え・被災をされ・今もなを取り組まれている管理組合の方をお招きして、生の声をお届けする会を開催いたしました。マンションの規模立地等により「備え方」も違ってきますので、2回に分けて開催しました。

【その1】
タワーマンションや規模の大きなマンションで自治会をお持ちの管理組合様向
東日本大震災を体験している都市が敬意を込めての表彰、
「杜の都 防災向上マンション 5つ星認定」 「仙台市まちづくり活動受賞」を
受賞された管理組合。どのような取り組みをしているのでしょうか。

日時:2020年2月9日(日) 10:00~12:00

場所:グラソード草薙 3階 (静岡県静岡市清水区)

参加者:4管理組合様

講話:小島浩明氏
       ・びゅうパルク南仙台管理組合 副会会長(現在・理事長)
            〃 防災倶楽部 代表
    ・NPO法人東北マンション管理組連合会 常任理事
    ・一般社団法人日本マンション学会東北部 事務局長

サポート:土屋賢司氏
    ・弁護士(東京弁護士会 弁護士業務改革委員会マンション部会所属
     東京総合法律事務所パートナー弁護士)、マンション管理士

管理組合には欠かせない「規約・細則」の部分のご質問にお答え出来ますよう、
マンボ-プロジェクトのサポートをしていただいています土屋氏も同席致しました。
小島氏のお話後、休憩をとりお菓子と飲み物でリラックス。質疑応答を交えながら、活発な意見交換の場となりました。防災士仲間でもある女性防災士さんもお手伝いくださいました。
『地域の中のマンション』そんな視点も広がっていくといいですね.

お礼:グラソード草薙管理組合さま、会場をご提供いただきありがとうございました。

コロナウイルスの問題はこれから。その1 管理組合が考えるべきお金のこと

緊急事態宣言が長くなればなるほど、管理組合で心配しなくてはならない事。

それは

管理費と修繕積立金

今まで、きちんと支払えてた方が、支払い困難、又は延滞する可能性があるということです。日本中が、このような状態です。お仕事によっては収入が減る、最悪には職を失う…

管理費・修繕積立金が滞納になる原因の例を上げてみます。

  1. うっかりなどの理由で預貯金口座の残高が不足
  2. 経済的な理由により支払うことができない
  3. 本人が破産等により滞納となっている
  4. 本人が死亡し、相続人が不明で請求できない
  5. 支払い方法が面倒などの理由で後回しになる
  6. 管理組合や管理会社への不満を理由に払わない

今回のコロナウイルスの影響で滞納者が出るとすると、2.3番が主な理由となりそうですよね。

では、管理組合としてはどう対応していくことが考えれるでしょう。

  1. 現状のままの規約で、支払いを督促する
  2. 事態に対応できるように規約を一部改正する

大きく分けて考えるとこんな感じになります。

皆さん大変な中とは思いますが、管理費や修繕積立金を安易に消滅したりすると、元に戻すことは大変です。そもそも、どの時点をもって「正常時」かという判断も難しいことを理解したうえで、対応については慎重に考えましょう。

今回に限らず、滞納を防いでいく管理組合として行えることの一つに「滞納を予防」する事が重要になってきます。

では、今できることは?

行政を始め様々な助成金や融資制度の情報をあつめて、お伝えする。

ご高齢者や、情報を自ら集めることが「苦手」な方もいらっしゃいます。そんな方も同じマンションの共同経営者。

「情報を共有」できれば、一緒に一つ屋根の下、集まって住むことの「強味」になりませんか?

そんな対応ができる管理組合の運営は、居住者を大切にすることと、建物を管理をしているとい事になっていきますよね。

「コロナウイルス災害に対する管理組合として考えて形にする」事が資産価値が高いマンションならば、この「お金」の事もしっかりと、管理組合で話しておく必要がありそうです。

管理組合が最低限できることをしっかりと

朝の人気情報番組TBS放送 朝チャンで、分譲マンションにおける「コロナウイルスの対策」をわかりやすく、簡潔にまとめてありましたのでご紹介させていただきます。YouTubeでご覧いただけます。 https://www.youtube.com/watch?v=xoAafZLuK9o   (7:25~7:32の時間帯になります)。

マンボープロジェクトで今までお伝えしてきた内容と重複しますが、ポイントをまとめてみました。参考にしていただき理事会内での「意見のキャッチボール」の材料に、居住者様、管理会社との「対策等についての共有」に役立てていただけると嬉しいです。

分譲マンションは住民の共用物(住民=管理組合)になります。よって「考え・、話し合い・まとめ・行動する」のは管理組合理事会。

感染者が出た場合の消毒作業:保健所・管理会社は行わない

マンションの管理業務:管理会社の職員の感染を防ぐ為に管理業務から一時手を引く(管理員の撤退も)

消毒業者の手配:管理会社が出来ない可能性もある(その責務はない)

         ⇩

感染者が出た場合の消毒作業の手配は管理組合費で手配を。

日常清掃、ゴミの収集に関する対策は、管理組合で。

部屋を出たらそこは外出先。共用部にはもうウイルスが付着していると思って行動を。

密室となるエレベーター内に換気システムがあるならば動かして空気を循環させてください。コロナウイルス感染予防に関係なく、日頃から運転させておくことをお勧めします。インフルエンザ予防にもなるので。

自分たちの身を守る為の啓発を!(公的チラシなどを有効活用など)

感染予防の基本の確認をお伝えすることも
大切なことですね。

ハードルは低く、最低限できることをしっかり話し合っておく

コロナウイルスだけでなく、様々な災害に対しても同じ事が言えますね。